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9/17 ウィーン・フィル楽団長講演会「室内楽付」 [日記]

やっと記事を書き出したと思ったら、表現にとても難しい題材を選んでしまったかも。。。
たまたま検索にひっかかったクラシックファンのみなさん、バカ記事ですから
どうかスルーしてくださいね[あせあせ(飛び散る汗)]

9月17日、東京・赤坂のサントリーホールにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団長
クレメンス・ヘルスベルク氏の講演会を聴きに出かけてきました。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ぜひ聴きたいと思っていたのだけれど
チケットが高すぎて手が出ず・・・(スケート観戦を2回我慢すればよいのだけどね)
半ばあきらめていたなか、この企画を知ることが出来ました。
それもウィーン・フィルメンバーによる室内楽付き!チケット代4,000円!

これだー!!! (・∀・)

編集後IMG_0001.jpg

カラヤン氏といえば、このポーズですねぇ。

ふたつの生誕100年ということで、第一部は「カラヤンとウィーン・フィル」
第二部は「ウィーン・フィルハーモニー協会100周年を迎えて」というテーマで
講演が行われました。

ちなみに私、クラシックにはまったく明るくありません。(GWは熱狂の日で熱狂してますが・・・)

サントリーホールのホワイエには在りし日のカラヤン氏の写真がたくさん飾られていました。

写真を見ていたところ・・・なんと会社の同僚にばったり会ってしまって驚いた!!
彼女はアマのオケに所属しているので来ていても不思議はないんだけど、
向こうからしたらなんでウィーンフィル楽団長の講演会にえらんがいるんだ!?
とそれはびっくりしたことでしょう。。。多分。

弦楽奏のメンバー。

ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル、エクハルト・ザイフェルト
ヴィオラ: トバイアス・リー
チェロ: ゲアハルト・イーベラー

ライナー・キュッヒルさんはウィーンフィルのコンサートマスターの方だそうです。
ばったり会った同僚はキュッヒルさんの大ファンなのだとか。

ハイドン:弦楽四重奏 ハ長調hob.Ⅲ-65から第一楽章

の演奏からスタートしました。
続いてヘルスベルクさんの講演に移りました。今まで作曲家の生誕を祝う事はあっても
作られた曲を表現する音楽家の生誕を祝う事はなく、カラヤンの生誕100年を祝うことは
特別なことなのです、とお話しされました。

初めてオーストリアに旅行したとき、ひょんなことからザルツブルグ郊外のカラヤン氏の
お墓参りに行く機会があったなあ。
小さな教会の墓地で、とても静かだったのを思い出しました。

ウィーン・フィルとカラヤンの関係はいつも親密だったわけではなく、特に関わりを持ち始めた
初期の頃は団員との衝突もあったようです。一生カラヤンのことを恨んだ団員もいたとか。

いろいろな確執のあったウィーン・フィルとカラヤンですが、団員の代変わりもあり
後期にはよい信頼関係が生まれていたようです。
カラヤンがウィーン・フィルを振るときには「ああ、家(ウィーン)に帰るんだね」と言っていた
エピソードも語られました。

今回の日本公演の指揮を務めるリッカルド・ムーティ氏もゲスト・トークとして登場。
カラヤン氏との思い出を語ってくれました。
ムーティさんは英語で話してくれたのですが・・・まずその美声にびっくり!
それにサントリーホールの残響・・・どっかで聞いたなあ、これ。。。と思ったらそう、
教会での声の響きにとても似ていました。

ムーティ氏のお話では「一般的にはカラヤンは独裁的で近寄りがたく一切の妥協を許さない」
イメージがついているが、実際の人物像は違う。
リハーサルは和やかな雰囲気で行われ、若い作曲家を見出す事にも積極的であったと。

実際にムーティ氏もカラヤンの後押しで、自分が思っていたよりも早くザルツブルグ音楽祭に
デビューしたこと、それまでカール・ベームの指揮で大成功を収めていた
「コシ・ファン・トゥッテ」への大抜擢のエピソードなどが語られました。

そのエピソード。1982年のことです。
演奏旅行でアメリカのノースカロライナにいたムーティさん。朝7時にホテルの電話がなります。
知り合いがいるわけでもなく、朝7時に電話をかけてくるヤツなんかいるわけない!
とムーティさんは電話を取らなかったそうです。それでも電話は鳴り続ける。
いったいどこのマヌケ野郎なんだよ!と怒りながら受話器を取るとバリトンのような声で
「カラヤンですが」と電話の主が言う。
ムーティさんは傍にいた奥様に
「こいつ朝の7時に電話かけてきてカラヤンだなんてぬかしてるよ!」
(すみません、ここはえらんの意訳が入ってます)
と言ったそうです。
ところが、電話の主はもう一度「カラヤンです」
ここでムーティさん、気がつきます!直立不動になって「マ、マエストロですか!?」
客席一同爆笑。
このやりとりは同時通訳無しでもわかって非常におかしかった。

「どうしてここにいることが分かったのですか!?」
「私にはなんでも分かるんだ」←(やっぱオレ様じゃん・・・)
ここで、ザルツブルグ音楽祭でのコシ・・・の指揮の打診をされるのですが、ムーティさんは
ベームさんの大成功を知っているので返事が出来ません。
「返事には1ヶ月猶予をくださいませんか?」とカラヤン氏にお願いしたところ
「Yes,or No?」即断即決だったそうです。ムーティさん、しぶしぶ承諾。
不意打ちだったんですねぇ。

ヘルスベルクさんに促されて、ずっと語られることのなかったエピソードも披露されました。

カラヤン氏の最晩年、衰弱していくなかでカラヤンさんはザルツブルグ音楽祭で上演する
仮面舞踏会のリハーサルを続けていたそうです。
ムーティさんは休暇で別の場所にいたのですが、急遽ザルツブルグから呼ばれ、その電話で
カラヤンの急逝を聞くことになります。
カラヤンさんはもし自分が仮面舞踏会を振れなかったときは、ムーティさんを代役に立てる
よう言い残してあったのだそうです。
しかし、ムーティさんはザルツブルグの事務局に言いました。「私には振れない」
カラヤンの仮面舞踏会はカラヤンのもので、誰も代わりにはなれない。公演を中止すべきと
ムーティさんは伝えたそうです。
事務局側も意見を尊重して検討したそうですが、結論は「決行」。
ムーティさんは指揮を固辞し、ショルティの指揮で公演は行われました。
ムーティさんはこの決断について、今でも後悔していません。と語っていました。

そんなエピソードを聞いた後の弦楽奏。

モーツァルト:弦楽四重奏曲 ハ長調 K465「不協和音」から第二楽章

どんな不協和音なのかと思ったらとても美しい音の重なりが織りなす曲でした。
じーん、としてしまいました。

休憩をはさんで第二部。

フランツ・シュミット: 弦楽四重奏曲 イ長調から第三楽章

このあとはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の成り立ちと歴史について語られました。
歴史のお勉強になって少々眠気が・・・Zzzでも最後まで興味深く聴きました。

最後に、ウィーン・フィルハーモニー誕生の立役者でもあるオットー・ニコライの弦楽四重奏が
演奏されました。

オットー・ニコライ:弦楽四重奏曲 変ロ短調

第一楽章で拍手が起こったので、コンマスのキュッヒルさんが指で2,3,4を作って
(第二、第三、第四楽章がありますよ~)とお知らせしていたのがおかしかったです。
ウィーンフィルメンバーの弦楽四重奏、素晴しかったです!うっとり聞き惚れました。

大喝采のうちに講演会は終了。とてもぜいたくな時間を過ごすことができました。

長くなってスミマセンでした。読んでくださった方、ありがとうございます。
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コメント 18

めぎ

とっても興味深いエピソードですね!カラヤンってそういう人だったんだ~と色々想像しながら読みました。
by めぎ (2008-09-19 04:40) 

斗夢

たくさんのすばらしい指揮者がいるのに
カラヤンの指揮というと手が出てしまう人が
今でも大勢いるのではないでしょうか。
クラシックに興味を持ち始めたころがカラヤンだったので
特に私にはすぐ出てくる名前です。
楽しいお話、有難うございました。
by 斗夢 (2008-09-19 05:31) 

はくちゃん

おはようございます。
素敵な演奏会でしたね
僕もクラシックはまったく知りませんが聞くのは好きです
エピソードが面白かったです
by はくちゃん (2008-09-19 10:12) 

中島茂信

カラヤンを含め、グレン・グールドやフジコさん、ヨーヨーマ、カラス、スラヴァのCDがMacBookにたくさん入っています。ただし、聞く側のオツムに難点があります。クラシックの曲名が覚えられないんです。変ロ短調だとか、難しい記号がオツムに入っていかないんです。こまったことです。大好きなんですよ、オペラなんかも。かと思えば、我がMacBookには美空ひばりの古賀メロディーなんかもはいっています。そちらの曲名はすんなり覚えられるのですが、崇高な曲だけが、苦手なんです。育ちが悪いんでしょうね、きっと。
by 中島茂信 (2008-09-19 21:44) 

berry

クラシックはダメです。
誰でも知っている有名な人とか有名な曲しかわかりません。(笑)
えらんさんの意外な一面を見たような . . .
すばらしい講演会(演奏会)でしたね。うん、贅沢な時間。
講演というのがいいですね。楽しそうなお話♪
ぐいぐい引き込まれたのでは?
エピソードは面白いですね。

by berry (2008-09-20 22:42) 

あずき*

大変面白く読まさせていただきました!
カラヤンのエピソード! なかなか!!!
こんなにもクラシックの講演の説明を・・・えらんさん!
侮れない! 凄いですね!
秋.....芸術の秋 音楽(クラシック)を聴いて
美味しい時間を過ごしたいですね♪

by あずき* (2008-09-21 00:39) 

ぐりこママ

こんばんは^^
お恥ずかしいですが、クラシックは全然わかりません^^;
ウィーンフィルとかカラヤンの名前くらいです、わかるの。
講演会と演奏と両方聴けるなんて、そういうのもあるんですね~。
とっておきのお話が聴けて、素敵な時間でしたね^^
芸術の秋だなぁ~♪
by ぐりこママ (2008-09-22 20:06) 

ムーミン

お久しぶりです。
ご無沙汰してしまいました。またよろしくお願いしますね^^

とてもいい時間を過ごされたんですね。お話をうかがって
私までそこにいたような、素敵なお話でした。
カラヤンといえば、気難しい方だとばかり思っていましたから
意外な面を知る事が出来て、印象が変わりました。
それにしても、えらんさんの記憶力のよさにも驚いてます^^
ありがとうございました(^_^)v
by ムーミン (2008-09-22 20:37) 

えらん

めぎさん、こんにちは。
こんな記事を書きましたが、書いた本人がまったくクラシック音楽をわかって
いません(^^;
カラヤンにまつわるいろいろなお話も、生前の風評など知るわけもなく、ただ
へーそうなんだー。という感想しか持たずに帰ってきたのですが(←おい)
スピード狂で派手な生活といわれたカラヤンのお墓はとても静かで小さな
場所だった事を思うと、なんとなく素のところと仕事のところは違ったのかな、
という気がしています。
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-22 21:28) 

えらん

斗夢さん、こんにちは。
ドラマチックですものね、カラヤンさんの音楽。
楽団長さんとムーティさん、どちらの話だったか失念してしまいましたが
カラヤンの特徴として「音に対する概念を作り出した人。フレーズの表現、サウンドの美しさはカラヤン独特のもの」ということを挙げていました。
私の記事で楽しんでいただけたならとても嬉しいです。
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-22 21:34) 

えらん

はくちゃん、こんにちは。
私も同じで、聴くのは好きなのですがまったく詳しくありません。
音楽の勉強や歴史についてだとすぐ眠くなってしまいます(p_q)
そうならずに楽しめたのはウィーンフィルメンバーによる素晴しい弦楽奏と
クレメンスさん、ムーティさんの話術によるところが大きいのでしょうね。
あ、ドイツ語&英語が分からないから同時通訳の方がお上手だったのだと
思います!
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-22 21:37) 

えらん

中島茂信さん、こんにちは。
あー、私もダメです。変ナントカ調とか憶えられないです。
プログラムをそのまま書き写しているだけなのでご安心ください(←なにが?)
演歌はほとんど聴かないのですが・・・何故か気がつくと「あ~あ~川の
流れのよ~に~」とか歌っていますので(笑)やっぱり日本人になじみ易い
音楽なのかもしれません。
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-22 21:41) 

えらん

berryさん、こんにちは。
クラシックやジャズ、よく「難しい」と言われますよね。
そんなのお構いなしに聴いてます。で、聴くのが面倒くさい曲はパス。
そんな感じでしょうか。
いまどきの洋楽とかJ-POPのほうが難解に感じてしまうんですよねー
歳を取った証拠かな!?
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-24 22:39) 

えらん

あずき*さん、こんにちは。
ん?侮れないとは・・・。どう受け取ればよいのかしら???
今回の講演会は「ネタになるかなー」と思いまして、気付いたときにメモを
とるようにしていました。だからこれだけ書けたのだと思います♪
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-24 22:43) 

えらん

ぐりこママさん、こんにちは。
クラシック、難しいから・・・と敬遠される方が多いですが(静かに聴かなきゃ
いけない、とかあるからでしょうね)構えるほど難しくないと思いますよ。
実際わたしもよくわからないのですが、ウィーンフィルはとても有名だし
手の届くお金でよい演奏と興味深いお話が聞けたのでとてもよかったです。
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-24 23:00) 

えらん

ムーミンさん、こんにちは。
ご無沙汰しました。またよろしくお願いします(^^)
とても楽しい講演会だったので話もよく憶えていたのですが、今回はブログの
ネタになるかな~と思いまして、メモをとるようにしていました。だから細かく
かけたのだと思います(^^ゞ
カラヤンさんの生前のことはあまり知らないのですが、実際に関わった方の
お話を聞くと違った一面を垣間見られるのかも知れないですね。
nice!&コメントありがとうございました。
by えらん (2008-09-24 23:04) 

えらん

sonataさん、くらいふさん、遊び人さんnice!ありがとうございました。
by えらん (2008-09-24 23:05) 

えらん

きょうパパさんnice!ありがとうございました。
by えらん (2008-10-04 19:57) 

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